介護の職場は、利用者さまだけではなく、同僚や上司など人と接する機会の多い職場です。そこで、コミュニケーションスキルを磨くことにより、人間関係を円滑にすることができます。
自分と相手を大切にする表現技法を身につけ、コミュニケーション力向上に役立てましょう。
自己表現には大きく3つのタイプがあります。
・アグレッシブ(攻撃的)
相手の気持ちを考えず、自分だけの考え、主張を通すことです。
・ノンアサーティブ(非主張的)
自分より相手を優先し、自分の気持ちとは裏腹に相手ばかりを尊重することです。
・アサーティブ
自分、相手ともに気持ちを大切にし、自他ともに肯定することです。
当然のことながら、上記3タイプのうち、アサーティブなコミュニケーションが双方にとってメリットがあります。アサーティブなコミュニケーションにより、相手への配慮も出来、自分の意見も伝えられ、仕事をよりスムーズに効率的にすすめられるようになります。
それでは、アサーティブなコミュニケーションはどのように行ったらよいのでしょうか。
ここでは、アサーティブに役立つ「DESC法」に関してみていきましょう。
Describe(描写)、Express(説明)、Specify(提案)、Choose(選択)の頭文字をとったものがDESC法です。「事実を描写する→自分の気持ちを説明する→提案をする→選択肢を示す」DESC法を用いることにより、相手を尊重しながらも自分の主張も行えます。
例えば、既に仕事が手一杯な時に上司から「この仕事もやっておいてね」と言われた時を考えてみましょう。
あなたならどのように伝えますか?こんなふうに伝えていませんか?
「できません」
「わかりました・・・」(本当はできないけどそう言うしかないと思って)
DESC法を用いた場合
1.描写(事実を客観的に描写します)
申し訳ございません。今日中に終わらせなければならないAとBの作業があります。
2.説明(自分の気持ちを説明します)
もしその作業をするとなるとAとBの作業が終わらずに、仕事が滞ってしまいそうで不安です。
3.提案(解決策などを提案する)
その作業は今日中に終わらせなければならない作業でしょうか。明日作業してもよろしいでしょうか。
4.選択
提案したことに対して、相手がYESの場合、NOの場合を想定した選択肢を用意する
YES:それでは、明日までにお願いね
NO:今日終わらせなければならないんだよ
提案に対して、NOの場合は代替案を提示しましょう。例えば、「その仕事でしたらAさんでもできると思うのでAさんにお願いするのはどうでしょうか」のように代替案を具体的に提示しましょう。
いかがでしたでしょうか。少しづつ練習をしていくことにより身についていきますので、コミュニケーションをとる上で活用してみませんか。